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症状別解説

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四十肩・五十肩

四十肩・五十肩
この症状も、ぎっくり腰と同じくらい皆さまに
身近だと思います。

四十肩・五十肩も一般的な名称です。
40代後半から60代にかけて多発するため、
このように呼ばれています。

医学的には『肩関節周囲炎』と言う病名です。

原因は完全に明らかに解明はされていませんが、
① 加齢による、関節滑膜や靭帯、腱などの老化
② 血液循環の悪化

だと考えられています。

四十肩・五十肩のメカニズム】
① 加齢により血液循環が悪化
   ↓
② 肩関節の周辺組織が炎症を起こす
   ↓
③ 炎症により腫れや痛みが生じる
   ↓
④ 肩関節の可動域が狭まってしまう
   ↓
⑤ こわばった感じがしたり、激痛が走る事も

【肩こりとの違いは?】
肩こりとは、悪い姿勢や緊張などによって首や
肩関節の筋肉が疲労し、痛みや張り、だるさが
発生している状態です。

四十肩・五十肩の症状】
● 肩を動かした時に痛む
● 肩の動く範囲が狭まっている
● 夜が特に痛み、眠れない事もある

ほとんどの方は、片方の肩だけに発症しますが、
まれに時間差で両肩に発症する場合もあります。

【判断方法】
痛みのある部分や動きの状態を確認しながら
肩関節周囲炎と判断します。
整形外科などの医療機関では、レントゲン撮影や
MRI、超音波検査(※)を用いられます。
※一部の整骨院でも使用されています。

しかし、そこにも注意すべき点があります。
それは、『鑑別疾患』です。

ざっくり言えば、
『症状や状態が似ている他の疾患』の事です。

今回の四十肩・五十肩で挙げられるのは、
① 上腕二頭筋長頭腱炎
② 石灰沈着による腱板炎
③ 腱板損傷

などがあります。

①上腕二頭筋長頭炎
主に力こぶを作る時に大きく膨らむ筋肉。
腕を回したり挙げたりすると痛む。夜間痛あり。
無理に使い続けると断裂してしまう事もある。

②石灰沈着による腱板炎
肩関節の一番深い所にあり腱が集まっている所。
肩関節を程よく固定し、安定させている。
石灰(リン酸カルシウム結晶)が付着して炎症が
起きる。
強い痛みがあり、動かす事が出来なくなる事も。
夜間痛がひどい方も居られます。

③腱板損傷
肩関節の一番深い所にあり腱が集まっている所。
肩関節を程よく固定し、安定させている。
日常生活や運動中の怪我、加齢によって炎症が
起きる。
挙げる角度によって痛みが強まり力が入らない。
変な音が聞こえる事もある。
場合によっては、断裂している事もある。

四十肩・五十肩の治療をしても改善がない場合、
以上の疾患にも十分に気を付けて下さい。

症状は1年から1年半ほど続きますが、
痛みは自然に軽くなっていく
と言われています。
(個人によって治まるまでの期間は異なります)
しかし、
そのまま放置すると日常生活の不自由が続き、
運動障害が残る可能性
もあります。
四十肩・五十肩の症状を自覚したら、早めに
医療機関を受診しましょう。

【治療のタイミング】
四十肩・五十肩には大きく2つの期間に分けて
治療に入る必要があります。

①急性期
肩の痛みが徐々に広がっていく時期です。
無理に肩を動かしたり、運動を続けてしまうと、
症状が悪化してしまう可能性があります。

また、この時期は肩を冷やしてしまうと痛みが
強くなるので、温めて安静に過ごしましょう。
重い物を持つ事も極力避けてください。

②慢性期
痛みは徐々に治まってくる時期ですが、同時に
肩関節の動く範囲が狭くなり日常生活の動作に
支障をきたす事があります。

引き続き肩を温めながら、肩関節の動く範囲を
広げるために体操やストレッチ
などを始めます。

【医療機関での治療】
①薬物療法
多くは非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用され、
一般的には錠剤で処方されます。
最近ではシップやテープなどの外用貼付剤
使用も増えていますが、かぶれに要注意です。

あまりに痛みがひどい場合、ステロイド剤や
局所麻酔を混ぜ合わせたものが使用されます。

②運動療法
肩の痛みが引いてきたら、少しずつ温めながら、
肩関節を動かします。

徐々に動きが良くなれば、積極的に動かします。
基本は自宅で行えるコッドマン体操を行います。

改善されない場合は医療機関に通院しリハビリを
開始します。
当院では運動療法に合わせて温熱療法や
超音波療法などを行います。


コッドマン体操(振り子体操・アイロン体操)
腕やアイロン位のおもりを使って、肩関節周辺の
筋肉を伸縮させます。
①痛くない方の手を机に置き身体を支えます。
     ↓
②痛む方の腕を下に垂らします。
     ↓
③膝を軽く曲げ腰から上の上半身を揺らします。
     ↓
④揺らす反動を利用して腕を前後に振ります。
     ↓
⑤同じリズムで腕を左右に振ります。
     ↓
⑥同じリズムで腕を時計回りや反時計周りに円を
描くように大きく振ります。

コツは、腕の力で振るのではなく、上半身を
揺らした反動を利用して行う
ことです。
途中で痛みが出る場合、一旦中止してください。


【日常生活での注意点と対応策】

①眠っているとき
夜、就寝中に痛めている方の肩が身体の下敷き
なったり、肩が布団から出て冷えてしまう事で
痛みの原因になります。

寝返りで腕が動かないようにする応急処置として
三角巾で腕を吊ったり、胸部帯で固定をしたまま
眠るようにします。

②朝、目覚めたとき
就寝中に身体が固定されていると筋肉が硬くなり
血液の循環が悪くなります。
朝起きたら、マッサージやストレッチなどで
血液の循環を促しましょう。


ただし、痛みのある部分を直接マッサージすると
悪化して炎症を引き起こす事がある
ので、
指先など離れた部分から行いましょう。

<指先の運動>
①グーを作り思いっきり、グーッと力を入れる。
     ↓
②指先を意識して、パッと素早く手を広げる。
     ↓
③この動作を10回ほど繰り返す。

<腕の運動>
①仰向けに寝て、肘を曲げられる所まで曲げる。
     ↓
②ゆっくり伸ばす。
     ↓
③この動作を10回ほど繰り返す。
     ↓
④手のひらを上に向けたり、下に向けたりする。
     ↓
⑤この動作も10回ほど繰り返す。

<腕のマッサージ>
①痛くない方の手で痛い方の手首をつかむ。
     ↓
②そのまま、ギューッと力を入れたり、パッと
抜いたりを5回ほど繰り返す。
     ↓
③肩に向かって少しずつ移動しながら行う。

この他にも、
蒸しタオルや交代浴などで血流を改善する方法も
ありますが、今回は割愛させて頂きます。

【まとめ】
四十肩・五十肩の治療は、痛みの強い急性期と
痛みが和らぎ関節の動きが狭くなる慢性期に分け
行うことが大切です。

急性期は肩関節を温めながら安静に過ごし、
慢性期は痛みをコントロールしながら運動療法を
行います。

慢性期に入り治療を続けても変化がない場合は、
他の鑑別疾患を疑い、医療機関を再受診します。

肩の痛みでご不明な点は欅(けやき)整骨院まで。

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今後、取り上げて欲しいキーワードやご質問など
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頂けましたら嬉しいです。
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恐竜の郷 御船町の欅(けやき)整骨院です。

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